葉桜の季節に君を想うということ / 歌野晶午


先日買った歌野晶午葉桜の季節に君を想うということ」を読み終えましたー!


葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)


歌野晶午の文章は、どこかサッパリとした文で読みやすかったので、スラスラと読めました。
ここまで読みやすい小説は久し振りです!


さて、今回読んだ「葉桜の季節に君を思うということ」は、なかなか面白い展開でした!
何より「叙述トリック」を最大限に活かした展開だったので、読み終えた時の満足感はありました。


この小説では、登場人物に対して罠が隠されています。
この登場人物に仕掛けられた罠によって、読者は大きな勘違いを生み出します。
読みすすめて行くごとに生まれる疑問。
矛盾が生まれた時に出る物語の真実に、「叙述トリック」の面白さが出て来ますね。


そして、小説の中で並行に進むストーリーにも罠が隠されています。
一見、バラバラに進んで行くストーリー。
全く関わりのない登場人物とストーリーが最終的に繋がること。
そして、そのストーリー展開の一つが、もう一つの罠になっていることには、正直騙された感が半端ありません!


多彩な罠が仕掛けられたストーリーは、作者が考えに考え抜かれた構想の面白さがありました。


この小説だからできる表現こそが、「叙述トリック」の醍醐味ではないかと感じます。