城塞(下) / 司馬遼太郎


司馬遼太郎城塞(下)」を読破しました!!


城塞(下)(新潮文庫)

城塞(下)(新潮文庫)


城塞」は、徳川家康が、豊臣家を取り潰すために企画した「大阪冬の陣」と「大阪夏の陣」の話です。
今回読んだ下巻は、大坂夏の陣の話になります。


大阪夏の陣では、豊臣家・後藤又兵衛真田幸村の武勇が書かれていて、その潔さにはかなり感動しました!
特に後藤又兵衛の戦い方には、司馬遼太郎も思わず力が入ったと思う程の凄味がありました。
最後の後藤又兵衛には、思わず鳥肌が立ってしまう程。
地味に後藤又兵衛が好かれ、NHK大河やドラマなどでも、しっかりと後藤又兵衛が登場するのは、「城塞(下)」のシーンがあるからかも知れません。


一方の徳川家康の描写は、石橋を渡るような細かなもので、後藤又兵衛の勇敢さとは対照的でした。
結果は徳川家康の勝ちでしたが、そういう目線で見ると、男というのは、又兵衛のような人間の方が魅力に溢れているように感じます。
関ヶ原」「城塞」と読んで来て、徳川家康の完璧さは凄いとは思いましたが、結局人間味という人の魅力というのは、後藤又兵衛のような男が持つような気がします。
そういう意味では、勝ち負けというのは、どうでも良いことなのかも知れません。


最後、豊臣秀頼は、あっさりと死んでしまいます。
この秀頼と家康の戦いは、全3巻で続くものの、最後の秀頼の呆気なさは、少し寂しいものがあります。


けど、それが秀頼という人物がそれまでの物語を残せない人物だったということなのかも知れません。


ホント、人間というのは、面白いですね。


さて、次は、再び司馬遼太郎
太閤記」を読んで行こうと思います!
今までは、徳川家康でしたが、豊臣秀吉の方が、明るい人物だったので、面白いかも知れません!
豊臣秀吉の生きざまを見るのが楽しみです!