キャッチャー論


先日、本屋に行った所、某野村監督の著書が置かれていました。
30分程、立ち読みしていきましたが、やはり野村監督は、凄いですね。


勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし


偶然勝つことはあっても、負けには偶然はない!
負けるということは、何か原因がある!


幾多のゲームをして来た名将が語る言葉には重みがあります。


さて、今まで草野球でキャッチャーをやって来て、徐々に打席に立つ選手の特徴がわかるようになって来ました。
あくまで独自の考えに基づいてで、野村監督に比べて説得力はありませんが、少し解説してしまいます。


【バットの構え方】
1.バットを寝かす
バットを地面と並行に寝かした状態の構えからバットを振ってみると、胸元に飛んで来るボールは非常に振りやすいことがわかります。このような打者は、低めが苦手です。
一般的にインハイは打てない球と言われていますが、バットを寝かせ、グリップが体に近い打者は、インハイが得意コースだったりします。ボールが高く振りやすいコースだけに、ホームラン性の当たりが飛び出す可能性があります。
バットを寝かせた打者には、低めの球が鉄則です。


2.バットを立てる
逆にバットを立てた構えの打者は、高めのボールが振りにくいことがわかります。
バットを立てた状態から、バットを寝かせると、手首をこねるようなスイングになります。
従って、高めに速い球を投げてしまえば、バットが遅れて、タイミングが合いません。


このように、バットを立てるか寝かせるかだけでも、充分特徴が分かって来ます。


【グリップの位置】
1.体から離す
グリップを体から離し、ゆったりとした構えをする打者がいます。
このような打者は、インコースを着きます。インコースの球に対応するためには、一度、グリップを体に引き寄せてから振る必要があるため、自然とタイミングがずれて来ます。ほとんどの場合は、空振りになります。


2.体に近づける
グリップの位置が体に近い場合は、アウトコース低めが苦手な打者が多いです。
これは振りやすさも関係しますが、最も目から遠い位置にボールが飛んで来ることが大きな要因です。
グリップが体に近い構えの場合、アウトコースにボールが来ることを感じると、つい腕を伸ばしてしまいます。
これにより、スイングにブレができ、凡打となってしまうパターンが多いのです。


他にも重心が低い打者、オープンスタンス、ノンステップ打法など、色々な特徴があり、それぞれに得意・苦手があります。


しかし、これは、あくまで確率論です。
中には例外的な打者がいます。逆にどれにも該当しない打者もいます。
イチローのような天才的な打者もいます。


ただ、『構え』は打者の特徴の一つであることには変わりありません。
最も近い位置で打者の特徴を見極めてこそ、キャッチャーです。


キャッチャーは、他のポジションでは、絶対に分からない世界があります。
だから、野村監督のようなキャッチャー目線の野球は面白いのです!