そして誰もいなくなった / アガサクリスティ


テレビで、アガサクリスティの名作「そして誰もいなくなった」がドラマ化されました。
アガサクリスティの大ファンだし、この「そして誰もいなくなった」は、かなり好きな部類の作品なので、2夜連続で見ました。
そして、兼ねてから「そして誰もいなくなった」を映像化して欲しいという希望があったので、念願がかなう形となりました。


原作は、ほぼ80年前に書かれた小説なので、現代風に多少のアレンジがありましたが、99%、オリジナルに忠実に再現されていました。
アガサクリスティの小説が、時代を超えても全く色あせない所には、正直驚きます。


今回のテレビドラマは、超豪華俳優陣でした。
キーマンの元判事役が先日亡くなられた「渡瀬恒彦」でした。
その他、家庭教師役に「仲間由紀恵」、元軍人役「柳葉敏郎」、執事役「橋爪功」、議員訳(小説では将軍役)「津川雅彦」と、ほかのメンバーも超豪華!!
小説の内容が重たいだけに、メンバーもこの俳優陣なら、ドラマも重くなります。


内容は、小説に忠実だったので、超重たいドラマでした。


アガサクリスティの代名詞「ポアロ」が出ない作品な所もあり、全く笑いなし、ユーモアなしの展開です。
アガサクリスティへの敬意を払ったドラマ作品に仕上がった感じです。


ただ、今回、ドラマを全て見てからの感想としては、「ミステリーを完全再現してドラマ化すると、面白味に欠けるなー。」という感想。
小説の場合、「読み応え」があります。
犯行手口を頭の中で考えさせられます。
10人の誰かに乗り移ったかのように、役に感情移入してしまいます。
同じ内容で、忠実に再現したとしても、映像を通すと、「こうも違うのか!」と感じてしまいました。


だからこそ、映像作品も「感情移入」してしまった目線で映像にしてしまえば、面白かった気がします。


今回の場合、1夜目に家庭教師、2夜目に判事の目線でやったら、1夜目が次々と人が死んでいくホラー作品、2夜目が巧妙な手口を明らかにするミステリー作品となって、映像の面白味があったような気がします。


ただ、大御所「アガサクリスティ」だけに、脚本家も苦悩したように思えます。


2年前が「オリエント急行殺人事件」で、今年が「そして誰もいなくなった」で来たので、次は「アクロイド殺し」ですかね?
ここ数年のアガサクリスティブームに注目です!